大気中DNAを活用した生物多様性・バイオセキュリティ監視の実現に向けて:克服すべき3つの課題
私たちの身の回りの大気には、植物、動物、微生物、そしてヒトに由来する無数の遺伝子の痕跡(大気中DNA / airborne DNA)が含まれています。近年、生物を直接捕獲することなく、生態系のモニタリング、生物学的脅威の検知、病原体の追跡を行う手段として、大気中DNAの活用に世界的な期待が高まっています。
しかし、大気中からDNAが検出されたとしても、対象の生物が生存・活動しているのか、あるいは病原性や危険性を有しているのかを直ちに判別できるわけではありません。
広島大学IDEC(国際協力機構)の丸山史人教授を中心とする国際共同研究グループは、英科学誌『Nature』に掲載されたコレスポンデンス論文において、大気中DNA技術を社会実装する上で克服すべき「サンプリング(採取手法)」「データの解釈」「ガバナンス(運用・法規制)」という3つの未解決課題を指摘しました。
研究グループは、大気中DNAモニタリング技術を実社会での監視システムとして信頼性高く運用するためには、これらの課題の解決が不可欠であると提言しています。
この成果はその後、広島大学および『Asia Research News』でも掲載されました。
